使ってみようAI
I活用例-NotebookLMで売上TOP10を瞬時に把握-Excell不要!CSVから売上集計

【NotebookLM】CSVから売上ランキングを作りたい!AIが実現する自動集計・分析術

販売管理システムを導入しても、「データを活かせずにいる」という声をよく耳にします。
先日、あるクライアントから「昨年度の売上データを使って、上位10社の顧客と金額を知りたい」というご相談をいただきました。
通常であればExcelの関数やピボットテーブルで集計する場面ですが、「Excelは苦手で触りたくない」という方も多いでしょう。
そんなときに頼りになるのが AIによる自動集計 です。 複雑な操作は一切不要で、質問するだけで「売上上位10社と金額」を瞬時に把握できます。

売上データは「眠らせない」のが経営のカギ

多くの販売管理システムでは、売上データはCSV形式で出力できます。しかし、そのデータをただ保存して「終わり」になっていませんか?
本来、経営判断に役立つはずの情報が、活かされないまま ”眠ってしまっている” のは大きな損失です。せっかく蓄積したデータがあるなら、それを活かさない手はありません。

AIに依頼するだけで集計完了

経営を効率化するには、このデータを瞬時に可視化できる仕組みが不可欠です。
今回は AIを活用して、自動で集計してみましょう。AIと聞くと難しそうに感じますが、特別なツールや専門知識は一切不要です。
端的に言えば、「売上データを準備し、質問(プロンプト)を入力する」という2ステップだけで、集計結果が得られます。 
Excelの複雑な関数を覚える必要も、プログラミング知識もいりません。誰でも簡単にデータ分析ができるのです。

では、実際に試してみましょう。

AI「NotebookLM」を使って集計してみる

今回の検証には、Googleが提供する NotebookLM を利用しました。
Googleのアカウントとブラウザがあれば、始められますよ!

◆ データファイル(ソースファイル)を準備する

利用している販売管理システムから、売上データをCSVファイルとして取得します。 

【注意】NotebookLMの仕様についてNotebookLMは CSVファイルを直接アップロードできません。
そこで、以下の2つの工夫が必要です。
・ファイル形式をtxtに変更
 拡張子を「.csv」から「.txt」に変更します。
 (例:売上累計表.csv → 売上累計表.txt)
・文字コードをUTF-8に統一

 テキストエディタでファイルを開き、文字コードが「UTF-8」になっているか確認します。
 異なる場合は、「UTF-8」で保存し直してください。

今回は、得意先・得意先区分ごとに売上を累計したCSVデータ(売上累計表.csv)を使用しました。

◆ NotebookLMにデータファイルを読み込ませる

1. ブラウザからNotebookLM(https://notebooklm.google.com/)にアクセスし、Googleアカウントでログインします。

2. ホーム画面で「+ノートブックを新規作成」または「+新規作成」をクリックします。

3. 「ソースを追加」から、準備したデータファイルをアップロードします。

◆ チャットで依頼する

もとになるデータ(ソース)がチェックされていることを確認し、次の質問(プロンプト)を入力します。

「売上累計」を「得意先名」ごとに集計したとき、売上累計のTOP10を一覧表で表示してください。

◆ 結果を確認します

売上累計トップ10が表示されました!

実際にやってみた感想

今回使用したCSVデータに対し、「売上トップ10を集計してください」というシンプルな依頼では、期待した結果を得られませんでした。NotebookLMは「集計の条件を詳しく教えてください」と返答してきたのです。
これは、AIがCSVデータの内容から、どの項目が「売上」なのか、どの項目が「得意先」なのかを判断しきれなかったためと考えられます。
そこで、項目の名前などを具体的に指定した依頼文に修正したところ、望んでいた「売上上位10社と金額」という結果を得ることができました。
この経験から、AIへの質問の仕方(プロンプトの作成)は、いかに具体的かつ明確な指示を出すかが重要だと痛感しました。

また、処理速度については、当初数秒で結果が返ってくると思っていましたが、予想以上に時間がかかりました。しかし、同じデータで質問内容を少し変えて再度依頼すると、返答時間が短くなりました。これは、AIが一度読み込んだデータの構造や内容を ”記憶” したためだと考えられます。次に同じような質問が来たとき、最初からすべてを読み直す必要がないので、素早く答えを出せるのです。
一度処理した内容を再利用することで、処理速度が向上する。これこそ、NotebookLMがドキュメントの扱いに優れている所以かもしれません。

NotebookLMを選んだ理由

世の中には多くのAIツールがありますが、それぞれ得意なことが異なります。今回の売上集計にNotebookLMを選んだのには、明確な理由があります。

1. プライバシー保護機能

NotebookLMは、アップロードされたドキュメント(「ソース」と呼びます)の内容だけに基づいて回答を生成することに特化しています。アップロードされたデータは、個人のスペースに安全に保管され、AIの学習には利用されません。
これにより、機密情報を含む売上データを扱っても、情報が外部に流出する心配なく、安心して分析できます。

2. 圧倒的なドキュメント連携力

もしGeminiやChatGPTが「一つの質問に答えるプロ」だとすれば、NotebookLMは「複数の資料を読み込んで全体を把握するエキスパート」です。
GeminiやChatGPTは、質問ごとに新しい会話が始まることが多いのに対し、NotebookLMは複数のファイルをまとめて読み込ませることで、まるでデスクに資料を広げて全体を見渡すように、複数の情報源を横断して分析できます。

3. 資料と一体化したAI

NotebookLMは、アップロードされた資料の内容を常に「記憶」しています。そのため、質問のたびにファイルを再読み込みさせる必要がなく、素早く的確な回答が得られます。
売上ランキングについて質問した後に、「前年のデータと比べてどう?」や「特定の商品の売上推移は?」といった関連質問をしても、文脈が途切れることなく、スムーズに対話を進められます。これは、データを都度入力する必要がある他のAIツールにはない大きな強みです。

この「プライバシー保護」と「ドキュメントに特化した分析能力」こそが、NotebookLMをビジネスデータの分析に使うべき、最大の理由の一つと言えるでしょう。

売上分析で次のアクションを見つける

NotebookLMの真価は、単にデータを集計するだけでなく、そのデータから新たなインサイト(洞察)を得ることにあります。集計結果を眺めるだけでは見えてこなかった、売上アップのためのヒントや次の戦略を立てるための材料をAIに質問してみましょう。
たとえば、次のような質問をNotebookLMに投げかけることで、より深い分析が可能です。

各得意先の売上、粗利益、入金状況を比較分析すると、何がわかるか?

売上が高いのに粗利益が低い得意先、入金サイクルが遅い得意先など、個々の顧客の状況が明確になり、よりパーソナライズされた営業戦略を立てるヒントが見つかります。

各得意先の売上累計、粗利益、および粗利益率の全体的な傾向はどうなっているか?

特定の得意先の成長度合いや、利益率の推移を把握することで、優良顧客の特定や、今後の取引拡大の可能性を予測できます。


さらに、データに「地区」や「得意先区分」といった情報が含まれていれば、より戦略的な分析が可能です。
地区と得意先区分ごとに、売上や利益率の傾向を把握することで、何がわかるか?
地区、得意先区分による売上や利益率の傾向はどのようなものか?

これらの質問を通じて、AIが瞬時に分析結果を提示してくれるため、営業戦略の立案や売上向上に向けた具体的な対策のヒントを効率的に見つけることができるでしょう。NotebookLMは、まさにあなたのデータ分析を強力にサポートする心強いパートナーとなります。

まとめ

販売管理システムから出力したCSVデータを、そのまま眠らせておくのは非常にもったいないことです。
AIを活用すれば、単なる「数字の集まり」が「経営判断の材料」へと変わります。Excelや専任スタッフに頼ることなく、 「顧客別売上ランキング」や「主要取引先の動向」 を簡単に把握できるのです。
特に「Excelを扱える人材が限られている」中小企業にとって、AIに代行させるメリットは非常に大きいと感じます。

弊社では、こうした AIやローコードツールを活用した業務効率化のサポートを行っています。
「システムを導入したものの、データを有効活用できていない」とお感じでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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