目次
はじめに
WordPressで記事を公開する際、「抜粋(excerpt)」を設定し忘れてしまうことはありませんか?
抜粋は投稿一覧ページやSNSシェア時に表示される重要な要素です。
にもかかわらず、毎回手動で入力するのは面倒ですし、ついつい忘れがちです。
本記事では、Googleの生成AI「Gemini」を活用して、抜粋を自動で生成する方法をご紹介します。
無料プラグインでは満足できない、でも有料プラグインを使うのは避けたいという方におすすめの方法です。
WordPressの抜粋の重要性とAI活用の可能性
抜粋を忘れるとどうなるか
WordPressで記事を書いたあと、「抜粋(excerpt)」を空のままにしてしまうこと、ありませんか?
- 検索結果やSNSシェア時の説明文が不適切になる → 抜粋が空だと、自動的に本文の最初の一文が使われ、文脈に合わないことがあります。
- ユーザーのクリック率が下がることがある → 抜粋が魅力的だと読まれやすくなりますが、空だと「何が書いてあるか」が伝わりません。
- SEOにやや不利になることもある(メタディスクリプションの自動生成に影響) → 抜粋があると、それが検索結果の説明文(メタディスクリプション)として使われることが多く、検索エンジンに内容を簡潔に伝えやすくなります。
- 関連記事ウィジェットなどで内容が分かりづらくなる → 抜粋を使っているプラグインでは、説明が表示されない or 無関係な部分が表示されることも。
→ 抜粋が空だと、Googleが本文から適当に抽出するため、意図しない一文が表示されることがあります。
というように、見た目や集客面で小さくない損失が発生してしまいます。
また、SNSや検索エンジンでシェアされた際に、メタディスクリプションに適切な文章が表示されないことで、読者のクリック率が下がる要因にもなります。
よくある自動抜粋方法と課題
多くの無料プラグインでは、投稿本文の先頭○○文字をそのまま抜粋として表示するだけのシンプルな処理です。これは一見便利に見えますが、文脈を無視して機械的に切り出すため、読みづらくなる場合が多いです。
一方、有料の自動要約プラグインを導入すれば、自然な文章で抜粋が生成されることもあります。しかし、継続的なコストがかかるうえ、自サイトの運営スタイルに合わないこともあるでしょう。
すでにGeminiを使っているなら、それを活用しよう!
すでにGeminiを使っているのであれば、そのAPIを使って自分のタイミングで自然な抜粋を生成することが可能です。Geminiは日本語の要約にも非常に優れており、プロンプト(AIへの指示文)を調整することで短く的確な抜粋文を得られます。
しかも、既存のWordPressフックを使えば、投稿保存時に自動で処理を行うことができるので、作業を完全に手放すこともできます。
Geminiの特徴
- 高精度な要約が得意(日本語も◎)
- APIで自由に連携できる
- 自分のアカウントで使えばコスト最小
WordPress × Gemini:自動抜粋の実装ステップ
実装の仕組み
この機能は、WordPressの save_post
アクションフックを利用して構築します。
投稿が保存されたタイミングで、抜粋欄が空である場合に本文を取得し、Gemini APIに送信して要約を依頼。その結果を抜粋として保存するという流れです。
フック処理のコード例
以下のコードをテーマの functions.php
または独自プラグインに追加することで、処理が有効になります。
add_action('save_post', 'auto_generate_excerpt_with_gemini', 10, 3);
function auto_generate_excerpt_with_gemini($post_ID, $post, $update) {
if ($post->post_type !== 'post' || !empty($post->post_excerpt)) return;
$content = wp_strip_all_tags($post->post_content);
$summary = get_gemini_summary($content);
if ($summary) {
remove_action('save_post', 'auto_generate_excerpt_with_gemini');
wp_update_post([
'ID' => $post_ID,
'post_excerpt' => $summary
]);
add_action('save_post', 'auto_generate_excerpt_with_gemini', 10, 3);
}
}
Gemini APIとの連携コード
下記の関数が、Geminiに要約を依頼する部分です。Google AI Studio
でGemini APIキーを取得して YOUR_API_KEY
の部分に挿入してください。
function get_gemini_summary($text) {
$api_key = 'YOUR_API_KEY';
$endpoint = 'https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/gemini-pro:generateContent?key=' . $api_key;
$payload = [
'contents' => [[
'parts' => [[ 'text' => "以下のテキストを100文字程度で要約してください:\n" . $text ]]
]]
];
$response = wp_remote_post($endpoint, [
'headers' => ['Content-Type' => 'application/json'],
'body' => json_encode($payload)
]);
if (is_wp_error($response)) return null;
$body = json_decode(wp_remote_retrieve_body($response), true);
return $body['candidates'][0]['content']['parts'][0]['text'] ?? null;
}
実際にGeminiが生成した抜粋
WordPressで記事の抜粋を自動生成する方法を紹介。 抜粋は一覧表示やSNSで重要だが、手動設定は面倒。 そこで、GoogleのGemini APIを活用。 記事保存時に自動で要約文を生成し、自然な抜粋を作成。 無料プラグインより高品質で、有料プラグインより低コスト。 設定方法や注意点も解説。
この記事を実際にGeminiに抜粋を作成してもらった結果になります。
注意点とカスタマイズの余地
- このコードは投稿タイプ「post」のみに適用されますが、必要に応じてカスタム投稿タイプに対応させることも可能です。
- 要約の長さや表現を調整したい場合は、プロンプト文(AIへの指示文)を工夫することでコントロールできます。
- 本番サイトに適用する前に、必ずステージング環境で動作を確認してください。
まとめ
WordPressの記事作成において、「抜粋」は小さな部分ですが、ユーザー体験や検索エンジンの表示に大きな影響を与えます。
GeminiのAPIを活用すれば、その作業を自動化し、自然で読みやすい抜粋文を生成できます。
日常の作業を少しでも減らしたい方、効率よくコンテンツ運営を行いたい方に、ぜひおすすめしたい方法です。
独自プラグインの作成方法や実装後の改造方法など、ご不明な点、もっと詳しく知りたいことがありましたら、お気軽にお問合せください。
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