使ってみようAI
社内FAQにAIを使いたい人が、まず知っておくべきこと。NotebookLMは「答えを1つに揃える仕組み」ではない。

社内FAQにAIを使いたい人が、まず知っておくべきこと:NotebookLMは「答えを1つに揃える仕組み」ではない

「このルール、結局どうなるんだっけ?」
社内マニュアルはきちんと用意されている。
それでも、
・どこに書いてあったか分からない
・読む時間が取れない
そんな理由で、同じ質問が何度も繰り返される—— 多くの現場で、よくある光景です。

こうした状況を見て、
「NotebookLMを使えば、社内FAQのように使えるのでは?」
と考えた方もいるかもしれません。
社内資料をまとめて読み込ませて、あとは質問するだけ。一見すると、とても便利そうに見えます。

ただ、実際に使い始めてみると、
・人によって答えが少し違う
・「それ、どの資料を元に答えている?」と不安になる
と、気になる点も出てきます。

この記事では、NotebookLMでできること・できないことを整理しながら、
社内FAQとして使う場合に、押さえておきたい考え方を解説します。

NotebookLMは社内で「共有FAQ」として使えるのか?

NotebookLMを社内利用しようとすると、多くの方がまずこう考えます。
「社内の元となる資料をまとめて入れておけば、みんなが同じ答えを得られるFAQになるのでは?」

結論から言うと、NotebookLMは「共有FAQ」を作るためのツールではありません
ここを誤解したまま使い始めると、「思っていたのと違う」というズレが生まれます。

NotebookLMは「個人用ノート」という前提

NotebookLMはその名前の通り、Notebook(個人のノート)という思想で設計されています。
・個人が資料を読み込み
・自分のために質問し
・理解を深める
ことを前提としたツールです。
そのため、全社員が同じ回答を見る、回答内容を「公式な見解」として配布するといった使い方は、そもそも想定されていません。
FAQシステムのように「答えを固定して配る」道具ではなく、考えるための下書き帳に近い存在です。

なぜ資料や回答を共有しない設計なのか

NotebookLMでは、 資料は「ノート単位」で取り込まれ、回答も「そのノートの中」で完結します。
これは、元となる資料を常に1つ揃え、全員の回答を一致させる、といった設計を、あえてしていないということでもあります。
たとえ、 Googleドライブなど同じ場所にある資料を使っていても、NotebookLMの中では 「そのノートに取り込まれた資料」 として扱われます。 つまり、資料も回答も “個人のノートごと” に完結する設計なのです。

同じ資料を使っても、回答が揃わない理由

では、なぜ同じ元となる資料を使っているのに、人によって回答が揃わないのでしょうか。
理由は、大きく3つあります。

取り込んだ資料は”その時点のコピー”

資料が更新されてもNotebookLMには自動反映されない。必ず再度アップロードする必要がある。

NotebookLMに取り込まれた資料は、元となる資料そのものではありません。
アップロードした時点の内容をノート内にコピーして使っているという扱いになります。
そのため、
・元となる資料が更新されている
・NotebookLMに取り込んだ内容は古い
といったズレが起きると、前提そのものが人によって変わってしまいます。
たとえば、スプレッドシートをアップロードした場合でも、アップロード後に内容を更新しても、NotebookLM内の情報は自動では更新されません。

質問の仕方で答えが変わる

同じ資料を使っていても、
・「この場合の業務ルールを教えて」
・「例外はありますか?」
・「新人向けに分かりやすく説明して」
と聞けば、注目するポイントは変わります。
人が資料を読むときと同じで、
・どこに目を向けるか
・何を知りたいか
によって、答えとして取り出される部分が違ってくるのです。

人によって「前提の置き方」が違う

NotebookLMは検索ではなく対話のため、回答は揺れる

もう一つの理由は、質問する人の前提です。
・業務に詳しい人
・初めて触れる人
・実務担当者
・管理者
立場が違えば、暗黙の前提や関心も違います。
NotebookLMは、その前提を質問文から読み取り、それに沿った説明をしようとします。
その結果、同じ資料でも、人によって少しずつ違う回答になります。

NotebookLMで「回答のズレ」をどう考えるべきか

この「回答の違い」は、必ずしも悪いものではありません。

NotebookLMは1つの「模範解答」を配る装置ではない

NotebookLMは、全員に同じ文章を返すことよりも、その人の立場や理解度に合わせて整理することを得意としています。
同じ資料でも、
・どこでつまずいているか
・何を確認したいか
に応じて、理解しやすい形で説明できるのが特徴です。

問題になるのは「元となる資料が曖昧なとき」

本当に問題になるのは、回答の表現が違うことではありません。
・業務ルールが曖昧
・判断基準が資料に書ききれていない
こうした状態のままAIに質問すると、人によって解釈が分かれてしまいます。
元となる資料が明確で、
・最終的に参照すべき資料が決まっている
・NotebookLMは補助的に使っている
のであれば、多少の表現の違いは致命的にはなりません。

「同じ答えを返させたい」なら、先にやるべきことがある

もし、誰が聞いても、まったく同じ回答を返してほしいのであれば、AIより先にやるべきことがあります。
・業務ルールや判断基準を整理する
・FAQを文章として固定する
・どの資料を正とするかを明確にする
これは、AIの問題ではなく、人向けの整理の問題です。

まとめ

NotebookLMは「答えを揃えるツール」ではなく、「考え方を整理するためのツール」です。
資料も回答も個人のノート内で完結する設計のため、社内FAQのように回答を公式に共有する用途には向いていません。
NotebookLMを社内で使うなら、
・元となる資料の管理
・再アップロード運用ルール
・何をAIに任せ、何を任せないかの線引き
が、重要になります。


ここまで読むと、
「では、社内で ”前提が揃った答えを返すAI” は作れないのか?」
と感じた方もいるかもしれません。

実は、GoogleのGeminiには、NotebookLMとは思想の異なる使い方があります。
次回は、Gemini(Gem)を使って、前提や立場を揃えた社内向けAIをどう考えるかを整理していきます。


社内FAQへのAI活用について、まずはご相談ください。

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