業務効率化・自動化
AIをメモ帳代わりに使って企画書・文章作成を劇的に時短。難しいDXは不要。Gemini Canvasで「考えを整理して、見せ方を作る」

業務改善!AIがあなたのメモを企画書にする【Gemini Canvas】で始めるスモールDX

頭の中のアイデア、うまく形にできていますか?

「キャンペーンのアイデアはたくさんあるのに、企画書にまとめる時間がない…」
「スタッフに伝えたい大切なメッセージがあるのに、文章にできない…」

現在、人手不足が叫ばれる中、少人数で多くの業務をこなす地方の中小企業や店舗では、一人で何役も兼任せざるを得ない状況が続いています。そのため、「考える時間」や「文章を整える時間」を確保するのは非常に大変です。弊社も地方でITシステム開発をしてきたからこそ、この状況を痛感しています。

AI活用というと、大掛かりなシステムを導入するイメージがありますが、実はAIは私たちの「メモ帳のように、頭の中の情報をサッと整理し、伝わる文章に変換してくれる、身近なツールになりつつあります。この記事では最も手軽で効果的なGemini Canvasをご紹介します。

Gemini Canvas(ジェミニ キャンバス)とは?

Gemini Canvasは、GoogleのAI「Gemini」に搭載された「AIと一緒にドキュメントを作る」機能です。
通常のチャット形式では会話の履歴しか残りませんが、Canvasを使うと Googleドキュメントのような編集画面で、AIと共同作業しながら資料を仕上げることができます。

これは、ChatGPTのようにAIと「会話する」だけでなく、その会話の中で生まれたアイデアや入力したメモを、AIがリアルタイムで「ドキュメントとして整理し、形にする」作業を支援してくれるのが特徴です。
文章や表を編集しながら、AIに修正や追加を依頼できる、新しいビジネス向けAIワークスペースです。

使い方イメージ:メモがそのまま資料に

Gemini Canvasの使い方はとてもシンプル。
普段メモ帳に書き出すような整理されていない箇条書きを、そのままプロンプトに入力するだけです。

入力イメージ

  • 「秋のキャンペーン内容を考えたい」
  • 「新メニュー『かぼちゃラテ』の特徴を顧客に伝えたい」
  • 「現在募集中の求人に書きたい職場の魅力」

AIの自動提案

AIはこれらの箇条書き情報を受け取り、次の要素を即座に提案します。

  • タイトル案やキャッチコピー
  • ターゲットに合わせた記事構成(見出し+本文)
  • スタッフや顧客に伝わりやすい自然な文面

これにより、会議のたたき台、SNS投稿文、社内向けお知らせ文などが、入力後すぐに完成します。

実例公開:企画書・告知文作成をたった10分で完了させる方法

実際に、弊社 株式会社システムエンジニアリング が、Gemini Canvasを使用して、キャンペーン告知文を作成してみました。

Geminiを開く

Geminiを開き、プロンプト(質問文)入力ボックス内の「ツール」-「Canvas」をクリックします。

geminiの入力画面イメージ

入力ボックスのメッセージは、”作成したいコンテンツを入力” に代わります。

gemini canvasの入力画面のイメージ

質問する

プロンプトにウェブサイトURLとキャンペーンの方向性を入力します。

https://senet.co.jp
このサイトのサービスに対して秋のキャンペーンを行います。
お知らせ文を作成してください。
タイトルと本文に分け、親しみやすく、スタッフやお客様に伝わる文章でお願いします。
本文は3パターン作成してください。

AIが作成した回答

画面右部に、AIが作成した文章が表示されます。
AIは、ターゲットに合わせた具体的かつ親しみやすい文章を生成。タイトルは1案、本文は3パターン、さらにスタッフ向け文章も作成されました。このように、お客様向けの文章と同時に、社内展開用の文章もAIに作らせることで、伝達漏れを防ぎ、業務展開のスピードが格段に上がります。

クリックすると作成された文章全文を確認できます

秋のDX応援キャンペーンのお知らせ文案

タイトル(共通)
【実りの秋】あなたの会社の成長を加速!「業務改善サポートキャンペーン」のお知らせ

本文パターン 1:【業務システム診断】具体的な課題解決を促す(お客様向け)
涼しくなり、仕事に集中しやすい季節となりましたね。この「実りの秋」を、貴社の業務効率化・DX推進の好機としてみませんか?
私たちは、この秋、**「業務システム無料診断キャンペーン」**を実施します。
現在ご利用中のシステムに「使いづらい」「データ連携がうまくいかない」といったお悩みはありませんか?当社の専門コンサルタントが無料でヒアリングを行い、貴社に最適な業務フローとIT戦略をご提案します。
この機会に、**「秋の棚卸し」**として、現在のシステムの課題をクリアにし、来年に向けた成長の土台を固めましょう!お気軽にご相談ください。

本文パターン 2:【働き方改革】新しい環境づくりを応援する(お客様向け)
いつもお世話になっております。セネット(senet)です。
秋は、新しい働き方やプロジェクトをスタートさせるのに最適な季節です。
そこで私たちは、多様な働き方を応援するため、**「リモートワーク環境構築 初期費用 50%オフ」**キャンペーンを実施いたします!
安全性の確保から、チームの生産性を高めるクラウドツールの選定、導入までを徹底サポート。スムーズなリモート環境への移行を、初期投資を抑えて実現できます。
「どこからでも働ける」環境を整備して、この秋から貴社のビジネスの柔軟性を高めませんか?まずはお気軽にご相談ください。

本文パターン 3:【社内・お客様向け共有】キャンペーンの目的と体制を伝える
セネット(senet)の〇〇です。いつも多大なるご支援、ありがとうございます!
私たちがこの秋に掲げる目標は**「データ活用コンサルティングの強化と加速」**です。
本日より、秋の業務改善サポートキャンペーンを開始しました。これは、単なる割引ではなく、お客様の**「データドリブンな経営」**を本格的に支援するための体制強化の一環です。

【スタッフの皆様へ】
お客様へのご案内時は、「DX支援を通じてお客様の事業成長に貢献する」という当社のミッションを共有し、無料診断や割引といった特典を、お客様の具体的な課題解決に繋げる提案を徹底してください。全社一丸となって、お客様の秋のビジネスを力強くサポートしましょう!

文章の調整

①自分で修正する

Canvas上でWordやGoogleドキュメントのように文章を直接修正できます。
今回作成された文章では、弊社の名前が「セネット(senet)」と表記されています。ここは正しく「(株)システムエンジニアリング」と修正しましょう。

②AIに修正を依頼

たとえば、前述した社名の訂正をする場合は、プロンプトに、

「セネット(senet)」は全ての箇所で「(株)システムエンジニアリング」に修正してください

と入力すると、AIが即座に修正してくれます。

文章がしっくりこない場合は、以下のように入力してみましょう。

もっとお客様に寄り添うイメージで、別パターンを3つお願いします

このように、AIと対話を繰り返し、文章をブラッシュアップしていくことができます。

また、SNS投稿用の文章を依頼してもいいですね。

本文パターン 1で、SNS投稿用に書き直してください

資料の書き換えはせずに、会話で返答してくれました。また、Googleスプレッドシートにエクスポートするためのボタンも付けてくれています。けっこう気が利いていますね。

他にも、ウェブサイトのランディングページを作成してもらうこともできます。

本文パターン 1 の内容で、ランディングページを作成してください

HTML形式の資料を作成してくれました。最低限の手直しは必要ですが、デザインとしては、使えるのではないかと思います。

Gemini Canvasの便利な機能

バージョン管理

文章の複数案を保持し、前のバージョンに戻すことも可能です。
たとえば、前述したように、別パターンで作り直したとします。変更前の文章を確認したいときは、「前のバージョン」アイコンをクリックすれば、すぐに確認でき、元に戻すこともできます。

資料管理

「このチャット内ファイル」から過去の文章を参照・再表示ができます。

Googleドキュメント保存

「共有とエクスポート」からGoogleドキュメント形式で保存できます。

ウェブページ・インフォグラフィック作成

ボタン1つで簡単に生成できます。
この、いわゆるウェブサイトのたたき台作成機能は、外部の制作会社に依頼する前の『イメージ共有』や、『ランディングページの構成案検討』に非常に有効です。これにより、発注後の手戻りを大幅に削減できます。
※インフォグラフィックとは、複雑な情報を図やイラスト、グラフ、チャートなどの視覚的な要素で分かりやすく表現したものです。

「ウェブサイト」と「インフォグラフィック」を使ってみた感想

AIが“文章をデザインとして見せる” ところまで形にしてくれるのは、とても新鮮でした。


良かった点
  • テキストから一気に“見える化”できる
    単なるメモだった内容が、色やレイアウトを伴って整理され、デザインとしてイメージできる形になったのは驚きでした。
    内容を考えるだけでなく、「伝え方の完成形」までAIが提案してくれる感覚です。

  • 簡易的なHTMLでデザインのたたき台を即時確認可能
    出力されたHTMLコードをそのまま使えば、色やレイアウトを含めたデザインイメージのたたき台をWebサイトとしてすぐに表示できます。
    本格的なWebサイト制作やデザイン発注に入る前に、簡易的なランディングページや商品紹介ページの構成案をスピーディに確認する上で非常に便利です。

  • PDF化すれば資料として活用可能
    インフォグラフィックの結果をPDFに変換すれば、会議資料や提案書などにもすぐ活用できます。
    デザインを一から作らなくても、情報をまとめるだけで見栄えのする資料が完成します。


気になった点
  • 画像は自分で差し替えが必要
    自動生成の中では、画像はダミーやシンプルな図形だけ。
    実際に使う場合は、自分で画像を追加・修正する必要があります。

  • 問い合わせフォームなどの機能は自動では動かない
    コードとしては表示されますが、実際に機能させるには手動での修正が必要です。「デザインの雛形」として理解しておくと良いのではないかと思います。

  • WordやGoogleドキュメントへのレイアウト移行は難しい
    見た目の完成度が高い反面、そのまま他の文書形式に変換するのは難しい印象でした。


おすすめの活用法

Gemini Canvasの「Webサイト生成」や「インフォグラフィック化」は、最終成果物というより、“構想を形にする途中段階”に最適です。

  • 商品紹介ページの構成案作成

  • 社内プレゼン資料のビジュアル構成のざっくり作成

  • チラシやランディングページのデザイン方向性を決める前段階での“見える化”

つまり、「手書きメモ → 形が見える状態」を一気に進めるツールとして威力を発揮します。

まとめ

ChatGPT/Gemini(通常)質問したら答えてくれる「相談相手」
→ 市場調査、情報収集、アイデアの壁打ち
Canvasホワイトボード+下書きノート+AI編集者
→ドキュメント・企画書・お知らせ文の共同作成

AIをメモ帳代わりに使うことで得られる効果は、時短だけでなく、
・思考のスピードを落とさずアイデアを整理
・「何を伝えるか」に集中できる
があります。

Gemini Canvasは、「テキストを形にするAI」です。完成品作成よりも、“考えを整理して、見せ方をつくる” 作業スペースとして活用できます。
AIは「難しい技術」ではなく「身近なメモ帳」から。プログラミングや複雑な設定は不要で、今日から業務効率化を始められます。

弊社では、こうしたツールを活用した業務改善を伴走型でサポートしております。導入のご相談や操作方法のご案内など、どんな小さな疑問も大歓迎です。『こんなこともできるかな?』と思ったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

あわせて読みたい:もう一つの「時短」AI活用術

今回の Gemini Canvasは、頭の中のアイデアを文章や資料に「形にする」時間を大幅に短縮します。 しかし、もう一つ、多くの企業で時間が奪われている作業があります。それが「議事録作成」です。 会議やお客様との打ち合わせの録音データを聞き返し、文字に起こし、要点をまとめる…。この作業に、貴重な「考える時間」を使っていませんか?
次の記事では、Geminiと同じくGoogleのAIツール【NotebookLM】を使って、録音データを自動で文字起こしし、議事録の要点まで一瞬で作成する方法をご紹介します。 これを導入すれば、面倒な「文字起こしと要約の手作業」から完全に解放され、「次の戦略を練る時間」に集中できます。 ぜひ、業務効率化に役立つもう一つのAI活用法として、こちらもご覧ください。

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