AppSheetでタスク管理
第1回:AppSheetタスク管理アプリ作成の第一歩!データ準備と基礎設定

第1回:AppSheetタスク管理アプリ作成の第一歩!データ準備と基礎設定

「自分だけの使いやすいタスク管理アプリが欲しい」と思ったことはありませんか?この記事から始まる全3回の連載で、Googleが提供するプログラミング不要の開発ツール「AppSheet」を使ったアプリ作成の手順をご紹介します。

連載の第1回となる今回は、アプリの土台となるデータ準備と基礎設定についてご紹介します。

AppSheetの基本概要については、以前別の記事でご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

業務効率化を支えるノーコードツール「AppSheet」とは?

日々の業務で欠かせない「タスク管理」。市販の便利なツールは数多く存在しますが、「もう少し自分の業務に合った機能があれば…」「部署独自のルールに合わせた仕組みがほしい」と感じた経験はないでしょうか。

そんな課題を解決してくれるのが AppSheet(アップシート)です。

AppSheetはGoogleが提供しているノーコード開発ツールで、プログラミングの知識がなくても、ExcelやGoogleスプレッドシートのデータをもとに、自分専用の業務アプリを作ることができます。

今回から始まる連載では、AppSheetを使って自分だけのオリジナルタスク管理アプリを作る手順を解説します。

第1回は、アプリの土台となる データ準備とAppSheetでの基礎設定 を進めていきましょう。

ステップ1:Googleスプレッドシートでデータ準備

AppSheetで作るアプリは、Googleスプレッドシート(またはExcelなど)に保存されたデータを読み込んで動作します。つまり、スプレッドシートの内容がそのままアプリの基盤となります。まずは、タスク管理に必要な項目を整理したスプレッドシートを作成しましょう。

1. 新規スプレッドシートの作成

Googleアカウントにログインした状態で、新規のスプレッドシートを作成します。

2. タスク管理に必要な項目を入力

スプレッドシートの1行目には、タスクを管理するための項目名を入力します。以下の表は項目の一例です。

項目名項目の内容
タスクIDタスクを識別するための固有の番号。
タスク名作業内容を表す名前。
詳細作業内容の詳細や補足情報。
ステータス現在の進捗状況(例:未着手、作業中、完了)。
期日完了予定日。
優先度重要度(例:高、中、低)。
作成日時タスクが作成された日時。

項目名は後から変更できますので、まずは大まかなイメージで始めて問題ありません。
2行目以降にはサンプルデータを入力しておくと後の操作が分かりやすくなります。

3. シート名を設定

シート名(スプレッドシートの下部にあるタブ名)は、後から見て内容がすぐに分かるように「タスク一覧」などにしておきましょう。スプレッドシートのファイル名も「タスク管理アプリ」など、わかりやすい名前を設定しておきます。

ステップ2:AppSheetと連携しアプリを作成

スプレッドシートの準備ができたら、いよいよAppSheetでアプリを作成します。

  1. 準備したGoogleスプレッドシートを開いた状態で、上部メニューの「拡張機能」をクリックします。
  2. AppSheet」にマウスを合わせ、「アプリを作成」を選択します。

これだけで、AppSheetが自動的にスプレッドシートを読み込み、アプリの初期画面を生成します。

画面右側にはアプリのプレビューが表示され、左側のメニューから詳細な設定ができるようになります。

ステップ3:データの構造を整える

AppSheetの画面に切り替わったら、アプリの信頼性と利便性を高めるために、データの型や初期値を設定していきます。

画面左側のメニューから「Data」タブを選択すると、スプレッドシートの列項目が一覧で表示されます。

※1行目の「_RowNumber」はAppSheetが自動的に追加した行番号を示すデータです。

1. データの型(TYPE)を設定

データの型(TYPE)は、そのデータが「数字」「文字」「日付」など、どのような種類の値を持ち、どのように扱うかを定義するものです。

各データ型の説明は以下の通りです。

TYPE(型)説明
Number(数値)型数値を入力・表示。
Text(テキスト)型短い文字列を入力・表示。
LongText(ロングテキスト)型改行可能な複数行にわたる長文の文字列を入力・表示。
Enum(列挙)型あらかじめ定義した選択肢の中から選んで入力・表示。
Date(日付)型日付のみを入力・表示。(例:2025/09/01)
DateTime(日時)型日付と時刻を入力・表示。(例:2025/09/01 09:00:00)

こうして設定することで、アプリの入力補助やデータの整合性が保たれ、使いやすさが格段に向上します。特に「ステータス」や「優先度」は、選択肢が決まっているので Enum型 を使うのがおすすめです。Enum型に設定すると、ドロップダウンリストやボタンで選択できるようになり、入力ミスを防ぐことができます。

Enum型の値の設定方法

1. 鉛筆マークをクリックし設定画面を開きます。

AppSheet画面説明_Enum型の設定

2.「Type Details」の中の「Values」で「Add」をクリックし選択肢となる値を追加します。

3. 画面上部の「Done」をクリックし完了します。

2. KEYとLABELを設定

アプリの信頼性を高めるために、データに「ユニークなキー(KEY)」を設定します。
KEYとは、データの中で「この行だけを特定する番号や名前」のことです。社員番号や商品コードのように、一人(一つ)を特定するための他の行と重ならないIDを指します。

ここでは、タスクID の「KEY」のチェックボックスをオンにします。これにより、アプリはそれぞれのタスクを他のタスクと区別し、正しく管理できるようになります。

タスク名は、アプリの一覧画面や他のテーブルから参照したときに表示する名前として使用するため、「LABEL」のチェックボックスをオンにします。

3. 初期値を設定

入力作業を簡略化するために、各項目の初期値を設定しておきましょう。初期値とは、データを新規登録するときに自動でセットされる値のことです。「Initial Value」に設定値を入力します。

各設定値の説明は以下の通りです。

NAME(項目名)Initial Value(初期値)説明
タスクIDUNIQUEID() 自動でランダムな8桁の英数字を生成し、タスクを一意に識別するIDとして設定される。
ステータス“未着手”新規タスク作成時に自動で設定した文字列が選択される。
作成日時NOW() タスクが作成された日時が自動で記録される。

これらの設定により、入力作業を大幅に簡略化しつつ、データが正しく管理されるようになります。

4. 表示/非表示(SHOW)を設定

アプリの利用者には不要な タスクID などの列は、「SHOW?」のチェックボックスをオフ にして非表示にしておきましょう。必要な情報だけを見せることで、アプリがよりシンプルで使いやすくなります。

まとめ:まずはデータ準備から

今回は、AppSheetでタスク管理アプリを作るための第一歩として Googleスプレッドシートのデータ準備 と、AppSheetの基礎設定 を解説しました。

次回は、入力したタスクを「見やすく整理し、効率的に操作できる画面」にカスタマイズする方法を解説します。どうぞお楽しみに!

ご不明な点や、さらに詳しく知りたいことがありましたら、お気軽にお問合せください。

AppSheetでタスク管理 の記事一覧

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
ログイン